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教卓では大高が気のない声で、何かをしゃべっている。
大高が何を言っているかなんて、三島にはどうでも良かった。
三島が気になっているのは、三か月前に施行された「あの法律」についてだった。
ちらり。
三島は横目で、霧堂の様子を窺う。
「……」
霧堂は真面目にノートを取っているようだったが、三島の視線に気づいたのか、顔を上げて三島を見た。
にたぁ。
笑った。
とてつもなく嫌な笑い。
三島は背筋が寒くなる。
その後三島は授業中ずっと、霧堂が気になって仕方なかった。
***
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