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「ミサイルがあるし、防衛省かなんかの格納庫(かくのうこ)に見えますが?」
『いいや。これはある学校の内部を写した写真だ』
「え?! これが?!」
ぼくは仰天して声をあげてしまった。それから目を大きく見開いて、画像の隅(すみ)から隅まできちんと観察した。
確かに良く見ると、作業をしている人たちはみんな学生のように見える。校章らしきものも、ミサイルのボディーにプリントされている。
『この画像はある学園の秘密回線から、一昨日突然我々宛てに送信してきたものだ。送り主が何者かも特定されていない』
「それで、ぼくの任務は?」
『この画像の真意を突き止めてくれ。このミサイル格納庫は何の目的でつくられ、どこが射程範囲で、その後どうなったか――
ものがものだ。日本政府も気が気でないだろう』
確かにその通りだ。ミサイルなんて、使い方は一つ――どこかの何かを吹き飛ばすため。
だが問題は、どこにそれを打ちこむかである。これがわからない限りは、日本政府も手出しができないわけだ。
それでぼくたちの出番だ。ぼくがこのミサイルの真相を暴き、情報を日本政府に提供するのだ。
場合によっては、生徒や教職員を含めた大捕(と)り物になるには違いない。
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