29人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
━━━━━寝息…★
ふたりとも、普段は2時間毎に、なぜか目覚めてしまうのだが、
この夜は、4時間ちょっとなのだが、抱き合ったまま、寝返りも打たずに爆睡してた。しかも、寝息が合唱するかのように、調和してたようだ。
━━━━━翌朝…★
どちらから目覚めるともなく、咲炎が目をあけると、瑠璃もまもなく目覚めた。
『ありがと、いつになくよく眠れたよ』
と、目覚めのキスを瑠璃のおでこにすると、瑠璃も
「私も、普段は、こんなに長く熟睡できることなかったのに、不思議」
と、にっこりと微笑んだ。 『お腹は、すいてないかい?』
「うん、幸せいっぱい、胸いっぱいで、お腹すかないの。さふぁ優しすぎるほど、優しくしてくれるから、なんか、空かないの」
『ほんとに?』
と、確かめたうえで、
『朝シャンする?』
「ううん、も少し抱いてて」
と、瑠璃はおねだりするかのように、小さくなった咲炎自身をまさぐり、パクリとして、
「今日の瑠璃の朝ご飯は、これで満足よ」
と、丁寧に優しく頬張り、みずから、咲炎に体を重ね、満足気に踊りを踊ってた。
『瑠璃、あんまり激しくするな。運転できなくなるからな』
と、釘をさして、瑠璃もうなづき、
「ごちそうさまでした」と、浴室に消えた。
━━━━帰り支度を…★
はじめながら、咲炎は
『僕の作った料理は、おいていこうね。そのかわり、寿司とからあげは持ちかえるよ。』
と、いいながら、チェックアウトのコールをすると、 「さふぁ、遠くからきてくれて、ありがと」
と、黙ってお財布を差し出して、自動支払機にお金をいれ、支払ってくれた。
《4780円》だった。
「わ、安っ」
と、咲炎の顔をみて、真ん丸な眼を丸くして、みつめあってしまった。
「お泊りなのに、こんなやすいなんて、ラッキーだね。昔利用したホテルは、お泊り1万円越えたの」
と、瑠璃が言い、お部屋のドアを支えてくれ、咲炎は荷物を抱え、駐車場の車に足早に急いで移動した。
『ホテルも僕らを祝福してるんだよ』
と、運転席についてエンジンを始動しながら、咲炎はつぶやいて、
『さぁ、明日香村にいこうね』
━━━━━つづく…★
最初のコメントを投稿しよう!