華やぎの明日香路

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━━━━計画通り…★  「計画通りね。楽しみだわ」 と、瑠璃は目をきらきらさせて、明るく返事した。 *  車を明日香村に向け出発させると、雨あがりの道には、朝もやが立ちこめ、幻想的に、雫のカーテンが、車窓にくっついて、対向車や、歩く人々から、車内のようすをさえぎり、ふたりだけの世界を演出してくれていた。  咲炎は、そんな車内で信号停車するたびに、瑠璃の体に手をのばし、  触れていたかったのだが、信号はすぐに青にかわり、瑠璃に、  「変わったよ、残念。前へ進め」 と、冷やかされてしまうのであった。  そうこうしてるうちに、コンビニで、ドリンクを補充するため立ち寄って、コンビニの駐車場で、  「明日香にはいったことあるのよ」  『どこに行ったの?』  「橘寺と岡寺だけは行ったの」  『じゃ、まず石舞台古墳にいこうか?』  「うん、まかせるわ。さふぁ、有言実行だから、大好き」  『ありがと』 と、いい、とってもうれしかったので、咲炎は、瑠璃の唇を重ね、首筋に唇を這わせてしまった。  「ん~、もう。こんなとこじゃだめ、濡れちゃったら、欲しくなっちゃうじゃない。はい目的地まで、すぐなんでしょ?出発進行」と、甘えん坊になっている咲炎に先を急がせた。 ━━━しばらく走ると…★  瑠璃は、矢井田瞳の歌を口ずさみながら、時折  「奈良を車で走るたび思うんだけど、落ち着くというか、懐かしい気がするの。さふぁは?」  『僕もだよ。お兄ちゃんと、夕焼け何度もみたんだもん』 と、前世の記憶の話をしてるうちに、 迷いながらも、午前9時すぎに、石舞台古墳の駐車場についた。  ここの駐車料金は咲炎が払い、石舞台まで春の息吹を感じながら、千年も恋人のふたりはゆったりと腕を組んで歩いたのである。 ━━━━春休みなのに…★ お客さんが、まだこの時間は少なかったが、一組の、ご家族連れといっしょになり、いい情景をふたりは拝めたのは幸いだった。 ━━━━━つづく…★
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