狐の嫁入り

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想像では、「彼女」はもっと俺達とかけ離れた存在だと思ってきた。 でも、隣の彼女は、初めて食べるソーダアイスに無邪気にはしゃいでいる。 「俺、決めた。この家を継ぐ。そんでアンタを護るよ」 俺の宣言に彼女は微笑むと、空気に溶け込むように消えていった。 俺の親父は、この稲荷神社の神主。 継ぐ継がないで、ずっと揉めてたが、実際に彼女を見て決めた。 実は、親父も彼女に会って継ぐことを決めたと知ったのは、もう少しだけ先の話。
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