【仏間(ぶつま)で寝た夜】

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でも…… 『ガラスが割れるような音がした』と、言っても… この部屋(仏間)に… ガラスなんか有っただろうか…。 俺は… 一応、窓ガラスを見てみましたが当然、割れてなんかいません。 と!父が突然 「おい!お婆ちゃんの額縁無くなってるぞ!」 と、言い出しました。 「あっ!本当だわ!」 俺も「え?」とテレビの上の壁の方を見てみました。 「あっ!」 確かに!! 壁に掛かっているはずの祖母と祖父の顔写真(遺影)の二つの額縁のうち、祖母の額縁の方が無くなっていたのです!!! 「と、言うことは…」 俺は、額縁の真下に有るテレビの方を見てみました。 更にテレビの裏側を見てみると… 「あ!テレビの裏っかわに額縁が落ちてるよ!!」 「なに?本当か!」 ちょうど… テレビの裏側と 壁の間の狭いすき間に… 額縁が『ささり込む』ような形で落ちていたのです! 俺と父でテレビを「うんしょうんしょ」と、動かしてみると… そこから出てきた額縁は、もうバラバラ…そこに、はめ込んであるガラスも粉々に砕けて割れていました。 俺が夢でうなされている最中に…額縁を吊っているヒモが何かの拍子で『ぷちん』と切れて、 テレビの裏側のすき間に落ち、その勢いでガラスが『ガッチャーン!』と、割れてしまったのでしょう。 両親が聞いた『ガラスが割れるような音』は、恐らくこの時の音だったのです。
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