【仏間(ぶつま)で寝た夜】

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さて…。 それから、月日は流れ… 現在…。 仏間の壁には、 新しい額縁に入った祖母と祖父の遺影が掛かってます。 で… 俺の『プライベート・ゲームコーナー』も… 相変わらず『健在』(?)です。 ただ、 最近は携帯電話のゲームの普及で、俺はあまりテレビでのゲームをしなくなりました。 (時々は、してますがね) ところで… ふと、たまに考えるのですが… 『あの晩』… もしも… 祖母の額縁が下に落ちずに… ガラスの『ガッチャーン!』と割れる音もせず… 俺が目を覚まさないで… 『あの夢』を見続けていたら……… そう思うと… 今でも、ゾッとします…。 あの夢の中に出てきた… 『あの女性』の異様な顔…… あの夢の中で聞いた… 『オォォォォォォ』という不気味な、うめき声…… 思い出すと、ちょっと怖くなります(汗) もしかしたら…ですよ。 あの晩… 祖母は… みずから下に落ちて、 『ガッチャーン!』と大きな音をたてる事によって… あの女性を… 仏間から… 『追い払ってくれた』………。 俺を… あの女性から… 『守ってくれた』………。 と… そんな気もするのです。 もし… そうだとしたら…。 あれは… 『夢』… なんかじゃなくて………(汗) それからというもの… 俺は仏間でゲームをする時には、ほぼ毎回… 祖母の遺影を見て… 『おだやかに微笑んでいる』ように見えれば… ゲームをさせて頂いてますが… (もちろん、眠くなったらそこで終了して自室に行きます) 『むすっとして怒っている』ように見えた時は…… 何となく、祖母が 『今夜は、何か良くない事が起こるかもしれないからゲームは、しない方が良い』 と、言っているような気がして… ゲームをしないようにしています。 ~END~
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