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「あのオンナ…最初(はな)から、FK興産の株を釣り上げることにしか興味
はなかったのよ…自分の持ち株と私の持ち株を合わせれば、FK興産の発行済み
株式総数の三分の一超を超える…それを武器に会社に揺さぶりをかけ、世間の注
目を集めて、株を釣り上げて、高値で売却するのが、目的だったってこと…」
電話口の諏訪野マミが笑う。
その笑いは寂しい笑いだった。
「…それに気付かなかった私はとんだおバカさん…バカもバカ…私は藤原ユリコ
にいいように利用されていただけ…」
諏訪野マミの声が泣き笑いに変わる。
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