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「……でもそれじゃあ、いらない人間たちはなんのために生きてるんだよ」
そうだよ、誰からも必要とされないなんて生きてる意味なんて、存在してる意味なんてないじゃないか
「そんなん、自分のために決まってんだろ」
いつの間にか俯いていた顔を上げると、強い意志を宿した目で嶋崎がこっちを見ていた
「他の誰かのためじゃなくて、自分のために生きるんだよ。自分のために頑張って、自分のために喜んで泣いて、少なくとも今の俺はそうやって生きてるよ。赤の他人のためにじゃなくて、自分のために生きてる。だから誰かに必要ないなんて言われたって関係ない自分が自分の人生楽しむためにここで仲間を作って、他の奴らも仲良くなったら一石二鳥じゃん?」
自分が楽しむために他の誰かも巻き込むなんて、あの転校生みたいだ。
でも、何かが違う気がする
「それにさっきもいったけど、ここにいる奴らもちょっと前までは自分は一人だと思い込んで世界に絶望してた。でも今は違う、ここにいる奴ら全員で仲良くなって、一緒に飯食って笑って、たまに喧嘩したら気がすむまで殴り合ってその後はちゃんと腹割って話して仲直りする。自分たちで解決できない事は他の誰かにも手伝ってもらう。Fクラス棟の奴らはみんなで助け合って生きてる、もう一人じゃない」
Fクラスの奴らの話をする嶋崎の顔はまたあの、優しい笑顔に戻っていた
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