『性善説』

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中学生までの私は他の生徒の模範になるような優等生だった気がする。 先生からもそう言われていたし同級生からも似たような事を言われた記憶がある。 できれば避けて通りたいであろう面倒事、生徒会長や学級委員など自ら引き受け先生から押し付けられる雑用も率先していた。 自分以外の誰か第三者から頼まれる、もといただの雑用や面倒な事を自分が変わりに引き受け遂行することに自分の存在意義というか、ある種の依存状態だったのだろう。 たのまれる事で自分の居場所を作っていたのだろう。 今となってはその時の私の心情は思い出せないし思い出したくもないが。 正気ではなかった。 常軌を逸していた。 狂っていた。 ただただそれだけだ。
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