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そして三年目。四月には音無一二三(おとなしひふみ)が室長代理として、十月には的野一雄と入れ替わりに神月未来(こうづきみらい)がチームAへ異動してきた。人が出ていき、入ってくるたびに、営監の狭い事務室は少しずつ色を変えていった。
健はというと、疲れていた。そして、小田村に関するほとんどすべてを無視するようになった。もちろん、仕事で必要な会話はする。しかしそこから少しでも脱線しそうになると、自分からフェードアウトした。この一年は、実地調査のペアも別々だった。健は育成のために圍川と組んでいた。それに伴い、座席も隣同士から斜向かいに移っていた。
健はまるで新人につくチューターのように圍川の世話に注力した。小田村は小田村で圍川を構おうとしていたが、圍川は小田村が話しかけても頷くか首を振るかぐらいしかしなかった。
小田村とは丸一日話さない日もあった。そんな日は、同じ島にいながら彼の顔すらまともに見なかった。顔を見なくとも仕事は進む。
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