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第4章
「クッキーを食うんだろ?お茶の用意をしてやろう。何が飲みたい?コーヒーか?紅茶か?それとも――」
王様の部屋は
いつ来ても独特の冷たい空気が流れている。
ゴシック調に統一された
薄暗い内装のせいか。
それとも
本人の放っているオーラのせいか――。
「さあ、早く缶を開けろよ」
征司は完全に
こいつが怪しいと睨んでるんだ。
「なんだか食欲なくなっちゃいました」
ここは一か八か――。
「だけど――」
僕はクッキー缶をテーブルの端に置くと
王様の足元に傅いて長いガウンを手繰り寄せた。
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