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「はっ……ぁ、待って隆太、何回すんのっ……」 「……っわ、かんねえ。けど、まだ足んねえ」 「ん、んんっ……!……はっ……待って、本当に待って。これじゃあ息が出来ないって」 幾ら会えなかった分って言っても、既に会えなかった期間以上にキスされてる。 再びキスをされそうになった俺は、咄嗟に自分の手で隆太の口元を覆った。 間一髪で、再び唇が塞がれるのを回避する。 だから、待ってって言ってんのに。 心臓の音が鳴り止まない。熱が引かない。腰が今にも砕けそうで、座っているだけでもやっとだ。 これ以上は、多分持たない。 「隆太、せめて続きは明日にしてよ。もう、身が持たないから」 「じゃあ後一回だけ。また暫く会えなくなるかも知んねえし」 「……っ今日泊まるから、明日も一緒なのに?」 「俺は今、してえの」 「ふっ、ぅっ……!」 やめて欲しいんだけど。そんな風に言われたら、断れなくなるから。 最後にこれでもかってくらい優しく触れた唇に、俺の意識は全て持っていかれた。 身体が熱くて堪らない。 心臓が今にも破裂しそう。 隆太以外のものが視界に映らない。 もう、訳わかんない。 回らない思考回路で、ただ一つだけ思う。 何が、なんて全然わかんない。 だけどこれ、多分、凄くヤバいやつだ。
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