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「……ん、」 俺は吸い寄せられるように隆太の唇に自分の唇を寄せる。薄っすらとかさついた唇に胸の痛みが増した。 隆太の頭をそっと撫でて、もう一度キスをする。 あ、ヤバイ。もっと、したい。起きないから、もう一回。 寝てる隆太にキスをするなんて、と思ったけど、そんな考えは一瞬で消えていった。 一度触れてしまえば、もう自分では止まれない。 隆太とのキスに身体が高揚するのがわかった。もっと、もっとと身体が叫ぶ。 柔らかい唇の感触が、俺をどんどん追い詰めていく。一瞬でも離すのが名残惜しくて、さっきからずっと酸欠だ。 唇を少しだけ離した瞬間に空気を取り込もうとするけれど、それよりも先に唇は自然と隆太の唇へと落ちていく。 いつの間にか唇が触れ合う音だけが俺の聴覚を支配していた。 「んっ……ん、…………ん」 触れる度、身体は今までに感じた事のない熱を帯び始める。 どんどん上昇していく体温と比例して、思考回路は機能をどんどん低下していった。 隆太、早く起きてくれ。 じゃないと、自分じゃ止められない。 行き場の無い熱が俺の中で駆け巡り、どれ程の間キスしていたのかわからなくなる頃には、縛った唇から耐え切れない吐息が漏れ出していた。 「……ふっ…………ぅ」 息苦しいくせに、何度も狂ったようにキスを繰り返していた俺は、いい加減止めないとと思いなんとか隆太から顔を上げた。 その瞬間、隆太の瞳に俺の姿が映ってる事に気付いた。
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