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あーだこーだと悩んでいるうちに隆太がもぞもぞと身動ぎをし始めて、俺は衣擦れの音にビクリと身体を反応させて咄嗟に身構える。 う~ん、と唸った後、隆太は閉じていた瞼をゆっくりと上げた。 辺りを確認するように首を左右に振った後で、黒い瞳がベッドの上に居る俺の姿を捉える。 隆太が起きた。どうしよう。何から話せばいいんだ。 「はよ。って、布団……?」 「あ、ああ、おはよう。えーっと、ごめん、ベッド借りた」 「俺、もしかして布団で寝ちまってたか」 「うん。気持ち良さそうに寝てたから、そのままにしてた」 いや、本当は起こせなかっただけなんだけど。
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