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朝食を食べに下へ降りる。リビングのドアを開けた瞬間、美味しそうな匂いが鼻を掠めた。 この匂いは、目玉焼きかな。 隆太の作る目玉焼きは黄身までしっかり焼いてあって、俺はそれが好きだった。泊まりに来た時は、必ずと言っていい程作ってもらってる。 「なあ、後夜祭ん時には実委員もお役御免だったよな」 「うん。確かそうだったと思う」 「じゃあさ、その時間、俺にくんねえ?」 食器を用意するのは、俺の仕事。食器棚から取り出したお皿を隆太に渡して、笑顔で頷く。 考えなくたって、俺の答えは決まっていた。
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