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朝食を食べ終えた後は、隆太の部屋のテーブルの上に教科書やノートを広げ、文化祭終了後直ぐに行われる期末テストの勉強を始めた。 次のテストは結構範囲が広いから、前もって予習しないと。 なんて思ってみたけど。開始一時間。そろそろ、限界だ。 「隆太、消しゴム貸して」 「ああ、はい」 「……っ」 勉強の途中で、俺は消しゴムを貸してもらおうと隆太の方に手を伸ばす。 隆太が消しゴムを俺の手に置く。その時隆太の指先が、ほんの少し俺に触れた。 指先が触れた瞬間、身体に電流みたいなものが走った。それは静電気のような痛みを伴うものではなかったけど、驚いた俺は咄嗟に手を引いた。 上手く受け取れなかった消しゴムが落ちそうになる。それを隆太が、見事にキャッチした。 「危ね」 「……っごめん」 「大丈夫か。ほら」 「あ、ありがと」 あー、もう。何してんだ、俺。
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