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そっと離れていく感触に、名残惜しさを感じた。もっとと叫ぶ心が、言葉になって口から溢れる。 「これだけ……?」 「……っ、それ、どういう意味」 「どういう意味だろう」 そう言ったのは、無意識だった。 今日はこれだけなのかって思った瞬間、言葉にしていた。 「…………なに、もっとしていいの」 「うん。いい……っ……ん、んっ……」 いいよと返答する筈だった言葉は、隆太の唇に遮られた。今日、何度目かもわからないキス。 心が、嬉しいと叫んだ。
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