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朝、学校に向かっている途中で隆太からメールが届いた。
隆太は今日、倉持と学食で昼飯を食べる予定でいるようだ。だから俺と近藤とで、四人で一緒に食べないかっていう誘いのメールだった。
隣に居た近藤にその事を伝えると、嬉しそうに目を輝かせて首をブンブン縦に振った。
昼休みになって、教室を出た所で二人と落ち合う。じゃんけんして、勝った方が席取り。負けた方が食事を取りに行く。
じゃんけんに勝ったのは、俺と倉持だった。
「なあ、倉持」
テーブルを挟んで向かい側に座る倉持に声をかけた。倉持は先程から携帯を弄っていたが、俺の声に反応して顔を上げた。
「ん?」
「隆太ってさ」
「うん」
「クラスの女子とかにも笑うのか」
「は?……あー、まあ、前は笑ってなかったけど、ここ最近は比較的笑うかもな。あいつ表情柔らかくなったし」
「……それって、特定の女子にだけかな」
「んー、いや、そんな事ねえんじゃねえの」
「……そっか」
俺はそれを聞いて、倉持に気付かれないようにそっと俯く。
ここで聞くんじゃなかった。
俺、今絶対、人に見せられない顔してる。
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