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隆太から返信は、思いの外早く届いた。 一度大きく深呼吸をし、逸る気持ちを抑えて、メールを開く。 『今日も遅くなりそうだから、一緒に帰れるかわかんねえ』 メールの内容を確認した瞬間、俺の心は一気に落胆。会いたくて仕方ない気持ちは、行き場を無くして彷徨った。 でも簡単には諦め切れず、それでも待ってるから終わったら第二図書室に来れないかと、再びメールを送信した。 俺らしくない文章。断られるかも知れない。一度断ってるのにと呆れられるかも知れない。 それでも、打たずにはいられなかった。 どんなに遅くなっても会いたいなんて、俺って、こんなに我儘だったかな。 「……準備、早く終わればいいのに」 昼に会ったくせに、それでも会いたいなんて、何言ってんだろ。 隆太が好きだと自覚して、一週間ちょっと。 ただ、自覚しただけなのに。 どんどん深みに嵌ってる。
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