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それから五分程して、持っていた携帯電話がブルブルと震えた。待ち受け画面には、メール一件の文字。 内容は、先程俺が送った遅くなっても構わないからというメールに対する隆太からの返答だった。 『終わったら、直ぐに行く』 どうやら、準備が終わったら来てくれるようだ。 「……っ……」 俺と同様に簡潔的なメール。 その短い文章を目にしただけで、心が揺れ動き、どうしようもなくなった。 遅くなっても会いに来てくれる、なんて。 どうしよう。嬉しい。嬉しい。 俺は携帯電話をギュッと握り締めて、嬉しさを噛み締めた。 ああ、もう、好きだ。大好きだ。 初めて味わう感覚が俺を襲う。ビリッと、雷でも落とされたみたいな痺れと甘い胸の痛み。 隆太を好きになってからはもう、初めての事だらけ。 心臓の音は大きくなる一方だし、むず痒くてもどかしくて、きゅーっと胸が締め付けられて。 こんなの、どうしろって言うんだ。 これ以上隆太でいっぱいになったら、どうしてくれるんだ。 隆太の事しか考えらんなくなって、他のものが何一つ手に付かなくなったら、どうしてくれるんだ。 恋する人って、毎日、こんな感覚に襲われてんのか。 隆太のメールって、こんなにも、破壊力があったのか。 心臓の鼓動って、こんなに速くなるものだったのか。
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