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「……っそういや、随分髪伸びたな」 「そ、う、かな。自分じゃよくわかんないな」 隆太にそう言われて、前髪を弄る。すると隆太も、そっと俺の髪の毛に触れてきて。 「これじゃ、小説読みにくくねえ?」 「……っ、だい、じょうぶ」 不意に近くなった距離に、不意に触れた指先の感触に、心臓が大きく跳ねた。声が上擦ったのは、恐らく気のせいじゃない。 この距離、危険だ。
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