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ゆっくりと唇を離すと、隆太がまた、俺の肩に顔を埋めた。 暫くの間、そうしてたと思う。隆太の身体は、小刻みに震えていた。 「…………やっべ……足ガクガクなんだけど。心臓痛ってえし、何だこれ、俺ここで死ぬのかな」 「俺だったら、どうせ死ぬなら窒息死したい」 「……っ追い討ちかよ、それ。お前はなんか、すっきりした顔してっし」 「うん」 つっかえてた物が、抜け落ちたみたいに清々しい気分だ。 やっと、この想いが言えた。隆太に好きだって、言えた。 そしてこれからは、何度でも言えるんだ。 「……なんか、不恰好な告白になっちまったな」 「どんな告白の仕方考えてたの」 「……後夜祭、で……」 「後夜祭…………あー、そう言えば」 誘われてたな。 隆太曰く、本当は後夜祭の時に言うつもりだったらしい。今よりもっと、格好つけて言うつもりだった、と。 「どう告白するかはまだ決めてなかったけど、もっと、スマートに言いたかったっつーか。とにかく、こんな予定じゃなかった」 「俺は早く聞けてよかったけど」 「……っ、お前はまたっ、追い討ちやめろって」 だって、本当の事だし。それに、後夜祭まで待ってたら、俺の心臓は幾つあっても足りなかっただろうから。
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