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それと同じようにして佐々木は毎日キスをする。 事あるごとに、いとも簡単に奪っていく。 奪われて何も言わないのは、俺の方だけど。 人が居る時は流石にしては来ないけれど、第二図書室は元々人が来ないから殆ど毎日だ。 気の所為でなければ、最初の頃に比べると少しだけ、キスをする時間が長くなった気がする。 ちゅ、と音がなりそうな程に短いキスから、長く、長く尾を引ようなキスに変わった。 それはまるで、意図してそうしているみたいに。 しかし奪っていった後は、何事もなかったみたいに過ごす。 これは、変わらない。 自然と唇が近付いて、自然と離れていく。 今日だって、ほら。 「なあ、そう言えば佐々木は、宇宙工学に興味でもあるのか。前に借りてたよな」 「あー、あれは弟が好きなんだ。俺はさっぱりだな。推理小説読む方が好きかも」 「ふーん、弟居るんだな。推理小説ハマってくれて嬉しいよ」 「ああ。お前がオススメしてくれるやつ、全部面白いからさ」 「それはよか……ん……っ……」 そう、こんな感じ。 何気ない会話の中に、キスする瞬間が存在する。 俺の見解としては、これはいつもお勧めありがとうっていうキス。 いきなりっていうのは未だに驚かされるけど、こうやって毎回お礼してくるあたりが、律儀だと思う。 けど……普通キスって、そう簡単にするもんだっけ。
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