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「俺に……って」 「好きだったんだよ、お前の事。だから、会いに来た」 太一が、好きだったから。一年の時から、ずっと。 一年の時は、好きにはなったけど、太一とどうこうなりたいとかそんな風には思ってなかった。 ただ、見てるだけでよかった。遠くから眺めるだけで、充分満足してた。 でも二年になってクラスが離れて、見てるだけってのも出来なくなって。 接点が欲しかった。ちょっと、話をするだけでいい。ほんの少しでいいから、距離を縮めたかった。元クラスメイト、という枠から抜け出したかった。 その事を太一に伝えると、太一は顔どころか耳まで真っ赤に染め上げた。 「……隆太って、そんな前から、俺の事好きだったの」 「嬉しそうだな」 「嬉しいよ。凄く、嬉しい」 太一の声を聞くだけで、喜びの感情が伝わってきた。触れたとこから感じる体温が、さっきよりも上昇してる。それが嬉しくて、自然と笑みが溢れた。 俺が抱き締める手に力を込めると、密着するように、太一が俺の背中に手を回してきた。 「……どうして俺だったの」 「内緒……って訳じゃねえけど、それはまた今度」 「そこは教えてくれないんだ」 「今日だけじゃ時間足んねえから、これからゆっくり、話してく」 時間はたっぷりある。これからも、ずっと一緒に居るんだから。 一つずつ、話していく。 俺だって、太一の事をもっと知りたい。何だっていい。一つでも多く、太一が感じたものを共有したい。 だから太一の事も、これから沢山教えて。
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