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開けた窓から
カーテンを少しだけ揺らす程穏やかな風が部屋に届く
射し込む日差しは既にオレンジ色に染められていて
ここは第二図書室
奪われたのは、俺の唇だった
お目当ての本を俺から受け取ったそいつは、ありがとうとだけ言ってその場を後にする
お礼のつもりだったのか、過剰なスキンシップだったのか
理由を考えるのが面倒な俺は、減るものではないなと眼鏡を押し上げて気にもとめなかった
奪ってきたのは去年同じクラスだった佐々木隆太(ささきりゅうた)
同じクラスだったからと言っても、殆ど喋った事はない
しかしこの日をきっかけに、俺と佐々木の奇妙な友人関係はスタートした
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