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土曜日、佐々木から指定された駅に向かう為に電車に乗り込む。 待ち合わせ時間は午後13時。場所は佐々木の家から一番近い駅の前で約束している。 佐々木のあれは特に風邪でもなんでもなかったみたいで、佐々木は一日も休む事なく学校に来た。 放課後もいつも通り図書室に来て、いつも通りに過ごして今日の予定を話し合って。 待ち合わせの時間を決めるのと同時に、また、キスされた。 車内の電光掲示板は待ち合わせの駅を示しており、ふと時計を見れば秒針は待ち合わせ時間の20分前を指していた。 佐々木の家は両親共に海外に住んでいて、今はお兄さんと弟さんと三人で暮らしているそうだ。 今日はお兄さんは出張、弟さんが修学旅行で居ないから気兼ねしなくて大丈夫だと言われた。 弟さんが居る事は聞いていたが、お兄さんまで居たとは。一人っ子の俺としては、ちょっと羨ましい。 そんな事を考えながら、駅に到着した電車から降りる。 俺の家とは正反対だから、この駅に降りたのは初めて。 若干見慣れない景色に戸惑いつつ、改札口を探す。そして、改札口の向こう側に居る人物に小さく笑みを漏らした。 こんな遠くからでも、佐々木の髪の色は目立つ。 ラフな格好に身を包み、駅の壁に凭れかかる佐々木は俺の存在には気付かないのか、ずっと携帯電話の画面を見つめたままだ。 ゆっくりと近付いてトントン、と肩を叩き、こちらに視線を向けた佐々木に笑顔を見せる。 「悪い、待たせたか」 「いや……そんな待ってねえ」 「早いな。まだ待ち合わせ15分前だぞ」 「一人で暇だったから、早めに出た」 「ふーん。じゃあ、先にコンビ二で昼飯でも買うか」 俺がその場所から見える位置にあるコンビニに向かって歩を進めると、佐々木も俺の隣を歩き始めた。 お互いに私服なせいか、とても新鮮に感じる。 歩幅が合うのか、スピードが丁度良いのか。佐々木の隣は、どこか心地良かった。
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