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とある共学の高校。俺、鍵本太一(かぎもとたいち)はこの学校の二年生だ。
放課後、俺は毎日階段を登りある場所へと向かう。
その場所は、殆ど使われていない第二図書室。
別に図書委員でも何でもないが、俺はそこの管理を任されてる。
第二図書室は別館の五階にひっそりとある。
本館の二階にある第一図書室の利用者は多いのだが、俺が管理している第二図書室は殆どと言っていい程人が来ない。
置かれている本は大体同じ物だし、冊数だって、第二図書室はかなり狭いから第一図書室の半分位しか置いていないんじゃないだろうか。だからわざわざ渡り廊下を渡り階段を登ってまで来ようとする人は居ない。
静かに読書したいとか、静かに勉強したいと思う人だけが労働と引き換えにやって来る。
その一人が、俺。
確かに今までも階段を階段を登らないといけないのは億劫に感じる事もあった。しかし一年生の時からの習慣になってしまっている今となっては全く苦に感じない。
俺はどうやらその少人数の一人、しかも変わり者認定までされているので、いつの間にか図書室の管理まで任されてしまうようになっていた。
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