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俺は室内へ入ると、所定の位置に鍵を置いて迷わずいつも佐々木が座っている席の向かい側に荷物を置いた。 次に近藤が入ってきて、図書室内を見回してここが第二図書室かと感嘆の声をあげる。 「狭いけど、日当たりもいいし静かで快適そうだね」 「ああ。全く、なんでこんな上の階に作ったんだか」 もう少し下の階だったら、もっと人が来ただろうに。正直、勿体無い。 でもまあ、そのお陰で静かに過ごせているし、誰かに迷惑をかける事なく佐々木と小説の話で盛り上がれる訳だけど。 あれ、そう言えば。 あの日佐々木は、なんでわざわざ第一じゃなく第二図書室の方に来たんだろう。殆どの人があっちに行くし、ここの存在知ってる人も少ないのに。 今度、理由聞いてみようかな。
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