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テーブルに向かう途中、俺の後ろをついてきていた近藤がぼそりと呟いた。 「佐々木君と倉持君って、相変わらず仲良いみたいだね」 「相変わらず……?」 「うん。同じクラスの時は、二人ずっと一緒に居たじゃん。佐々木君なんて特に、倉持君が居る所でしか笑顔見た事なかったし」 「……そう、だったっけ」 近藤曰く、佐々木と倉持は仲が良いらしい。だから相手が倉持だとわかったのかと、近藤の言葉を聞いて納得した。 近藤がここまで言うって事は、かなり、仲が良いのか。 ズキッ……ズキッ………… 近藤の言葉が、妙に引っかかる。 それはつまり、佐々木は倉持にしか笑顔を向けてなかったって、ことなんだろうか。 「佐々木君と倉持君って二年生になってからもまた同じクラスだし、親友って感じなんだろうね」 「そう…………だな」 どうしてだろう。近藤の放ったその言葉が、耳を劈くみたいで酷く痛かった。
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