158人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルに向かう途中、俺の後ろをついてきていた近藤がぼそりと呟いた。
「佐々木君と倉持君って、相変わらず仲良いみたいだね」
「相変わらず……?」
「うん。同じクラスの時は、二人ずっと一緒に居たじゃん。佐々木君なんて特に、倉持君が居る所でしか笑顔見た事なかったし」
「……そう、だったっけ」
近藤曰く、佐々木と倉持は仲が良いらしい。だから相手が倉持だとわかったのかと、近藤の言葉を聞いて納得した。
近藤がここまで言うって事は、かなり、仲が良いのか。
ズキッ……ズキッ…………
近藤の言葉が、妙に引っかかる。
それはつまり、佐々木は倉持にしか笑顔を向けてなかったって、ことなんだろうか。
「佐々木君と倉持君って二年生になってからもまた同じクラスだし、親友って感じなんだろうね」
「そう…………だな」
どうしてだろう。近藤の放ったその言葉が、耳を劈くみたいで酷く痛かった。
最初のコメントを投稿しよう!