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佐々木に連れられて倉持が居る席へ向かうと、倉持はカウンターから直ぐの所の四人席を一人で陣取っていた。身長が大きいからか、少し明るめの茶髪だからか、座っているだけなのに結構目立ってる。
携帯をいじっていたらしく、近くに来るまで俺達の存在には気付いていないみたいだった。
「隆太おっせーよ。腹減った……って、あれ?」
「由乃、鍵本達も一緒でいいか?」
「そりゃあ別に構わねーけど……珍しい事もあるんだな」
切れ長な目が、俺と近藤を交互に映す。次に再び佐々木を見て、何かを理解したようにうんうんと頷くと、俺と近藤にまあ座れよと勧めてきた。
多少なりとも驚いてたみたいだったが、倉持は思いの外順応力が高いようだ。特に俺達の事を気にした様子はない。
俺は佐々木の向かい側に座り、俺の隣には近藤が座った。
「悪いな、倉持」
「倉持君急にごめんねえ」
「別に構わねーよ。それより早く食おうぜ」
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