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「そう言えば……隆太ってさ、なんであの日第二図書室に来たんだ。殆どの生徒が第一の方に行くのに」 次の日の昼時、リビングのソファーに座る俺は、目の前でゲームをする準備をしていた隆太に、そんな質問を投げかけた。 それは、前から密かに抱いてた疑問だった。 隆太は何で皆が利用する第一図書室ではなく、わざわざ別館の、しかも五階にある第二図書室に来たんだろう。 本の数だって圧倒的に第一の方が多いのに。探してた本が見つからなかったから、第二まで探しに来たのかな。 「あー、もう忘れた」 「まだ二ヶ月も経ってないのに?」 「思い出したらそん時言う」 「ははっ、それっていつになるんだよ」 直ぐには思い出しそうにない隆太の口振りに、思わず噴き出して笑った。 「まあ、気長に待つよ」 「そうしてくれ」
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