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あれ、いや、ちょっと待って。 そう言えば、俺達別に、キスをする約束をしてた訳でも何でもないんじゃないのか。 今だって、隆太からキスをしたいと言われた訳でもない。現に隆太は、俺がキスした事にこんなにも驚いてる。 背中に、つぅ、と一筋の汗が流れた。 頭に浮かんだ疑問が、徐々に焦りを生んでいく。 ちょっと、本当に待って。 それじゃあ、今のキスは何だ。俺が隆太にキスした意味は。 これが日常とか、日課って事にならないなら、このキスに他の意味を付けないといけないのか。 むしろ、俺は、いつからキスの意味を考えなくなってた。 頭の中は、既に混乱状態に陥っていた。隆太に驚かれるなんて、意味を聞かれるなんて、予想すらしていなかったから。 キスした理由を、俺は直ぐに言葉に出来なかった。説明出来なかった。 これだって思う理由が、見当たらなかった。
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