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「会いたく、なかった。お前が俺とキスする事をおかしいと思って、お前に直接友達やめたいって言われるんじゃないかって思ったら、すっげえ怖かった」 また一歩、遠くなる距離。 「お前に嫌われんの、すっげえ、怖え……」 震えた声が、俺の耳に届いて。一瞬、泣いてるんじゃないかと思った。 弱々しく吐き出された隆太の本音が、ずしんと胸に響く。 嫌われたくないって、何でそんな事を言われたのかもわからないのに、何だか無性に抱き締めたくなった。 心が、突き動かされる。身体が、自分の意思とは関係なく動く。 気付いた時には、手を伸ばしてた。強く、その身体を抱き締めてた。 気付いた時には、キスしてた。
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