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「隆太は、俺とキスしない友達になりたい?」 「い、や……だって、質問がまずおかしいって。キスする友達とか無理だろ普通に考えてっ……」 「普通って何。隆太が言う、その普通っていうのに必ずしも合わせないといけないの?周りがそうだから、絶対そうしないといけないの?」 世間一般で考えれば、確かにおかしいのかも知れない。隆太の言葉は間違ってないんだろう。 わかってる。本当は、頭ではわかってるのに、否定の言葉が止まらない。 普通に、なんて、俺にとってはどうでもいい。 「っ……だ、って……おか、しい、のに」 「じゃあ聞くけど……隆太は、何が一番怖いの?」 「……っお前と、友達じゃ、なくなること」 「俺もそうだよ。でもごめん。隆太がいう普通っていうのには、なれそうにないからさ」 これは俺の、我儘だ。これから言おうとしてる事はきっと、俺の独り善がりでしかない。 それでも、 「俺達は俺達、じゃ、いけないのかな」 「っ、」 「俺は友達同士でもキス、してもいいと思ってる。無理して周りに合わせなくたって、いいだろ」 俺は今、多分、隆太しか見えてないんだと思う。 こんなにも強く欲する気持ちを持ったのは、隆太だけだ。 この気持ちが、隆太にも伝わればいい。同じくらい俺を欲してくれたら、なんて、俺はとても傲慢で、自分勝手で、こんなにも貪欲だ。 ごめん。本当に、ごめん。 「これからも友達で居て、そんで、今までみたいにキス、してよ」
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