5

3/26
前へ
/188ページ
次へ
鍵を開けて中に入ると、懐かしささえも感じる光景。夏休みはここには来れなかったから、約一ヶ月半振りだろうか。 何も変わらない場所。それが、とても心を落ち着かせてくれる。 「やっぱり少し埃っぽいな」 「そうだな」 今日は始業式の次の日。今日から授業も始まり、俺と隆太はいつも通り第二図書室に来ていた。 俺は迷わず窓際まで歩いていき、換気する為に一つ一つ窓を開けていく。 夏休みが明けたら、隆太と二人で大掃除をしようと話していた。 「じゃあ、俺は本棚だな」 「ああ。隆太、そこのバケツとって。俺はこっちをするから」 役割分担をして、二人とも無言で掃除をする。心地よい風は届くけれど、夏の気温と日差しが良い場所なので、開始して早々汗だくになる。 良かった。ジャージに着替えてて。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加