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「太一が、文化祭実行委員?」 「そう」 9月末から10月初めにかけて行われた中間テストが終了し、現在は10月の2週目が終える所だ。 既に学校の制服は、夏服から冬服へと移行された。 昨日の放課後クラスで行われた文化祭での出し物の話し合い。勿論クラスだけでなく各部活でも出し物が行われる。 演劇や屋台、展示等、一年に一度のお祭りとあって、皆の心は浮き足立っていた。 そして文化祭を円滑に進める為に毎年発足される文化祭実行委員会の委員選出。これはクラスから男女一名ずつが選出される。 この文化祭実行委員に、俺が選出されたという訳だ。 「なんで、お前なんだよ」 「仕方ないよ。部活も入ってないし、責任感があるとまで言われたら、断れなかった」 「実行委員とか、当日見て回る時間ねえくらい忙しいって話じゃん」 土曜日、隆太の家にやって来た俺は、昨日クラスの話し合いで決定した事項を隆太に説明した。 隆太はそれを聞いていくうちにだんだんとむすっとした表情に変わっていき、終いにはそっぽを向いてしまう。 確かに、実行委員に選ばれてしまった時点で文化祭を盛り上げる為に動かないといけないから、当日はゆっくり出店や各クラスの出し物を見て回る事も難しいだろう。 隆太はそっぽを向いたまま、一緒に回ろうと思ってたのにとぼそりと呟いた。 それを聞いて、一言ごめんと謝る。 俺も、隆太と一緒に回りたかったな。
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