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隆太の放った言葉に目を見開いた。一瞬言われた言葉の意味が理解出来なくて、確認するように、質問に質問で返す。 「俺、から……?」 「あんま、お前からしてくる事ねえじゃん」 だからほら、と言って、至近距離でキスをしろと目で訴えてくる隆太。 ゆっくりと細められた目に、ドクンッと心臓が跳ねた。 「……っ、い、いけどっ……隆太、ちょっと待って。せめて心の準備させてよ」 いきなりキスしてくれと言われ、動揺が隠せない。 キスするのは、全然いい。問題はそこじゃない。 キスしたいって言われるのもそうだけど、キスしろって言われるのも、普通にするよりも何倍も恥ずかしい。 ここまで強く求められた事なかったから、余計、その視線から逃れるように少し俯く。 隆太を見なくても、隆太がずっと俺を見てる事がわかる。それが更に俺の心を追い詰める。 「太一、まだ」 「だから、ちょっと待ってって」 さっきまでの雰囲気とは打って変わり、俺達が纏う空気が変だ。いつもと違う。 軽い、フラットな感じとは全然違って、なんかちょっとむず痒いっていうか。なんか、本当に、変なんだ。 あれ、なんでこんな、ドキドキしてんだ。
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