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「それで、どこから聞いたんだ? 学院側が言うはずないよな」
「え……それが……渡来くんから聞いた。……大本は頼なんだって。なんだかおかしいと思ったらしくて」
「いつ?」
「え、今日の昼休みに――」
「そうじゃなくて、頼と渡来はいつ気づいてたんだ?」
「勉強会始めてからすぐなんだって」
見ていた戒斗の横顔は険しさから一転して無表情になった。
「……そういうことか」
声をかけづらい雰囲気でしばらく沈黙に付き合っていると、なんらかの整理がついたのか、ようやく笑みの潜んだ声で戒斗はつぶやいた。
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