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ーーいいなぁ。
沙由記に梨華は輝いて見えた。
結婚していて、子供もいるようにはとても思えない華やかさ。
この人はたぶん、ずっと若々しくて、老若男女から羨望の眼差しを向けられる存在だ。
次の日、はやくもそれは明らかになる。
「いってきます」
はじめての外勤。施工会社の担当者の梨華を見る目はまるで少年だ。
私はまるで存在していないかのよう。
羨ましい。
たとえ、私が家を手に入れられる日が来たとしても。本当に欲しいものは一生手に入らない。
「ねえねえ、加藤さんは彼氏とかいるの?」
「…まさか、いないですよ」
「えー!もったいない」
本当に欲しいものは一生手に入らない。
だから、そう生きてきた。
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