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「わわわ! な、なにするんですかー! ご主人さまー!!」
アンダンテは大声をあげて必死にもがくも、首根っこをつかまれたネコ状態。抵抗は意味を成さなかった。そのまま彼に運ばれ、アンダンテが連れてこられたのは、リビングだった。
そこには、カーペットに突っ伏して倒れている、もう一人のアンダンテの姿があった。おまけに、ぴくりとも動かず、呼吸をしているのかどうかも疑わしい。
「ひゃあっ」
ようやく事態を飲みこめたアンダンテは目を丸くして、小さな悲鳴をあげた。
「こら。きみまで気絶してどうする?」
目を白黒させるアンダンテの頬を叩き、彼はもう一人のアンダンテを見おろす。つかんでいたアンダンテを解放し、彼はもう一人のアンダンテに歩み寄る。頭はぶつけていそうだが、どうやらケガはなさそうだ。
「あ、あの、ご主人さま。これは? わたし、どうなっちゃてるんでしょうか」
アンダンテが震えながら、おっかなびっくりな声で尋ねた。
対して彼のほうは冷静そのもので、なにもかも悟ったかのように答えた。
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