第38章 そうだ京都、行こう

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待合室には常連さんらしきおじいちゃんおばあちゃんがワイワイしてました。 若ーいお兄さんが今日の説明をしてくれます。 「透析室で行います。先に血液検査しますね。大丈夫だと思いますが、結果が悪ければ今日はお帰りいただく事になります。」 うん、大丈夫。この日のために主人は正月明けから体調を整えて食べ物に気をつけたり岩盤浴したりしてましたから。 これでダメって言われたら本当に京都旅行で終わります。 それでもちょっとドキドキしながら、透析室に足を踏み入れた瞬間、あまりのベッドの数に目がまん丸になりました。 透析室はものすごく広くて、ベッドはざっと数えただけで70くらいありました! その全て、血が循環されてるわけです。 心臓のように脈打つ管。グルグル回る血液。ベッドに横たわる弱々しい患者達。 ここは・・・戦時中・・・? 主人は透析ではないので違う装置が用意されていて、一番奥に通されました。 「ワシ・・・生きて帰れる気がせん。この雰囲気アカンわ・・・。病気になりそう・・・。」 「生きるために来たんやん。大丈夫、ここの人達とは違うやろ?」 「そうやけど、なんか精気も吸い取られそうや。なんなんやろ、これ。やけんワシ病院嫌いよ。」 「なんか人造人間作ってそうよね・・。あの管が心臓みたいにドクンドクン動くのが気持ち悪い・・。透析って大変なんやね・・・。」 もう二人で勝手な事ばかり言ってました。 透析されてる方、すみません。でも間近で見たらすごく大変な事なんやなとよくわかりました。 できれば一生透析はしたくないです。
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