第38章 そうだ京都、行こう

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私は主人の足元に椅子を置いてもらって座りました。 隣のおじいちゃんは何度もピーピーとアラームが鳴り、看護婦さんが管を直したりしてました。 「テレビつけましょうかー?」 耳も遠いのかかなり大声で話してます。 「モガモガモガ・・・・」 「入歯、持ってきましょうかー?」 おじいちゃん、首を横に振ります。 透析は長い時間拘束されるせいか、ベッドの上にテレビが配置されてました。 「あ、テレビあるやん。」 「平日のこんな時間に観たいテレビもないし、ワシは寝るからテレビは要らん。」 「ええなぁー、ベッドで寝れるから。」 「お前は車で寝たらええやん。」 「いや、あの駐車場のおじいちゃんにじっと見られそうやしガソリンの無駄やけん大丈夫。」 そんな話をしていたら、最初に説明してくれた若い男性看護士が沢山の器具を持ってやってきました。 この人、お肌色白ツルツル~で、眉毛めちゃ整えてて、お目目ぱっちりキリリのジャニ系イケメンです。 マスクで普段は隠れてましたが、私が女でごめんなさいと言う感じのイケメンでした。 頭良くてこんな肌ツルッツルでイケメンとか、ずるいわぁー・・・。 とか思ってました。 血液検査を無事クリアし、そのあと特殊な機械の準備が終わると、院長先生がやってきました。 こちら、もう引退してもいいんじゃない?というくらい高齢な先生です。 「じゃあ今から動脈に注射します。普通の注射は静脈なのですが、動脈は奥深いので普通より痛いと思います。ちょっと我慢してください。」 見るとかなりデカい注射針・・・。 うわぁー・・・痛そう・・・。 ブスリ! グリグリグリグリ・・・・ 「んー、ちょっと取りにくいですね。すみませんが場所変えてみます。」 院長先生、おぼつかない手つきでまたまた血管を探し始めます。 ・・・・大丈夫かな・・・・
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