第38章 そうだ京都、行こう

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しばらくして例のイケメン看護士さんがやってきました。 「うん、大丈夫ですね。ちゃんと規定量採れてるみたいなので、針抜きますよ。」 針を抜いてから、イケメン看護士さんはギューッと針があった場所を押さえてます。 「動脈ですからね、しっかり押さえないとなかなか血が止まりませんから。30分くらい抑えますが奥さん待合室で待たれますか?」 「いえ、邪魔でなければここで待ちます。」 その間に主人とイケメン看護士さん、楽しそうにお話してます。 私のトーク力の無さが悲しい・・・。 「この辺でなんか美味しいお店ない?」 「この辺って住宅街だし何にもないんですよー。街から少し離れてますから。あ、今なら椿まつり(だったような気がします。うろ覚え)まだやってるかもしれません。車で少し走りますけど。」 「へぇ、今の時期にお祭りあるんですね。」 「結構大きなお祭りですよ。もし時間があるなら是非。まだやってたら良いんですけど。」 しかし、私も主人も特にはお祭りに興味ありませんでした。 「あ、車で5分くらいの所に鰻の美味しいお店がありますよ。」 「鰻、ダメな人が居るんでダメですね。」 「え!奥さんうなぎダメなんですか?」 「昔小学生の時に友達の家でご馳走になったけど、美味しいと思えなくて。無理矢理口に詰め込んだら吐いてしまってそれ以来鰻は無理です。」 「それはお前が安物食わされたからやろ。」 「鰻食べれないなんて人生半分損してますね。」 「「美味しいのにねー!」」 ・・・・・なんかイラッとしました(笑) 「僕が教えられるのはこれくらいですね。お役に立てなくてすみません。京都は美味しいもの沢山ありますから、美味しいの食べて帰ってくださいね。」 「ワシ、めちゃくちゃお腹減ってるからガッツリ満喫して帰るわ!お兄ちゃんありがとう。」 「長旅ですからね、お気をつけて。」 こんな感じで、イケメン看護士さんは顔だけでなく心も綺麗な方でした。 が、 肝心のお店が決まらないままでした。 どうしましょ・・・
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