2人が本棚に入れています
本棚に追加
(芽育side)
ピピピ ピピピ ピピピ…
「…ん……」
もう朝かぁ…
「ん~~っ」
目覚まし時計を止めて大きく伸びをする
「おはよう、みっちゃん」
わたしの足元で丸まっていた三毛猫のみっちゃんに挨拶をする
一階から焼きたてのトーストの香りがしてきた
芽夢(めぐむ)もう起きてるのかな
みっちゃんと一緒に一階へ降りると予想通り、既に制服姿の芽夢が朝ご飯を準備していた
「おはよう、芽育(めぐみ)」
「おはよう」
洗面台に行き眠気眼のまま制服に腕を通し支度を済ませ、台所へ行く
幼い頃から両親が共働きの為家事は、わたし宮野芽育(みやの めぐみ)と双子の兄、芽夢で役割分担をしている
「はい、お弁当」
出来た兄だなぁ…
我が兄ながらぼんやりとそんなことを考えた
役割分担と言っても、料理はわたしが全く出来ないため芽夢に任せっきりだ
料理だけでもだいぶ大変だよなぁ…
今度料理の練習でもしようかな
そう思いながら芽夢手作りのお弁当へと視線を落とした
赤く丸い物体が三つ……
「!!芽夢!トマトはいらんって言ってるでしょ~?!しかもこんなに沢山!」
「トマト食べなきゃ大きくならないぞ~?優しいお兄ちゃんからのプレゼント!」
「いらんわ!こんなプレゼントー!」
怒ってるわたしに反して何故か嬉しそうに笑う芽夢…
前考撤回
双子なんだからお兄ちゃんとか関係ないでしょ!
子ども扱いして…全く
芽夢に気づかれないよう、お弁当からトマトを取り出し芽育のトーストに乗せた
あ、そういや今日は早めに出なきゃだった
「芽夢、わたし今日早くお家出るね」
「お、だったな~」
そう言って豆乳が入ったコップを持ってきた
「いただきます」
「げっ、なんだよこのトマト」
「芽夢にあげる~」
「好き嫌いは駄目だぞ」
「芽夢だってアボカド食べれんじゃん」
「あれは!あれは不味いもん!」
食感が~!っとアボカドについてブーブー言ってる芽夢を無視してスクランブルエッグにケチャップをかける
半熟美味しい
豆乳も美味しいなぁ~
のんびりと食べる朝食は絶品だ
最初のコメントを投稿しよう!