~車椅子~

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「はあ、何だか今日は疲れたなあ・・・。」 現在は夜10時。 消灯時間になったらしく、他の二人と病院は静まり帰っている。 流石に暇だなあ・・・。 病室をこっそり抜け出し、看護婦にバレない様に移動した。 さっきは迷ったが、そのお陰で道がだいたい判った。 たまには迷ってみるもんだなあ・・・。 階段を見付けて、上に上がっていく。 カンカンカン。 夜で静まり返っているので、階段を上がる音が響いた。 やがて扉を見付けて、開けた。 扉はけっこう重く、中々開かないだろう。 開くと、外は雲が晴れていたので、空は星が沢山見えた。 風も肌に当たり、涼しい・・・。 「やっぱ外は良いなあ・・・。」 と言っても屋上だが。 辺りを見渡すと、月明かりで出来た人影が見えた。 彰に気付いたらしく、こちらに振り向いた。 その人影の正体は、すぐに判った。 ――人影の正体は、道に迷った時に出会った少女だった――
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