プロローグ

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激しく燃え盛る炎が身体を焦がす 肉が焼け焦げる匂いと血生臭い異臭が鼻に纏わりつく ああ、これは夢だな 『いつも通り』の光景に、脳が瞬時にそう判断した 周りをよく見渡す 逃げ惑う人々、それを蹂躙するかのような化け物達 その誰もが、俺と言う存在に気がつかない 幼い頃からずっと繰り返し見続けてきた夢 「ーーきゃぁぁあっ!」 目の前で幼い子供が、化け物に襲われる これもいつも通り 俺は、急いで子供に駆け寄り、腕を掴もうとするが 努力も虚しく、伸ばした腕は 子供からすり抜けた まるで陽炎のようだ 何度伸ばせど、決して捕まえる事はできない そんな俺を嘲笑うかのように、化け物は子供を嬲る 何度も 何度も何度も何度も 繰り返し 嬲る その光景が お前は何も守れないのだと言われてるようで 酷く吐き気がした
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