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浦島のたくましい腕が、あたしの腰にまわされる。
耳たぶに熱い息がかかった。
その瞬間、雷にうたれたように、痺れる感覚が下腹めがけて走った。
「あっ」
思わず出た声に恥じらっていると、浦島はあたしの頬に手をあててふり向かせた。
身悶えするほど恋い焦がれた浦島と、鼻先が触れんばかりの近さで見つめ合っているなんて……もう気が遠くなりそうだった。
「なぜだ?」
翳りのある眼差しがあたしを縛る。
「好いてしまって……」
「話したこともないのに?」
「そんなの関係ない」
あたしは泣きたくなった。
「あんたが恋しくて、苦しくて、どうしたらいいかわからない」
浦島は少し笑った。
それから、腰にまわしていた方の手で、あたしの背中をなぞり上げた。
「ああっ」
また声が出てしまう。
触れるか触れないかという微妙な指先の動きは、女を知らない男のやることではない。
浦島は笑ったまま、あたしの顔を両手で包み、かたちの良い唇を寄せてきた。
頬に触れた唇はそのまま反対側の頬に移り、あたしは焦れて唇を合わせようとするが、浦島は巧みに位置をずらしてしまう。
意地悪な仕打ちに揶揄われている気がして哀しくなり、あきらめて離れようとした瞬間、あたしの口は浦島の唇でふさがれた。
――恍惚と陶酔で目がまわりそうになる。
あたしは浦島の引き締まった背中や腹を撫でまわし、もっと下の方まで夢中で手を這わせた。
浦島の舌先が入ってきて、あたしの歯をなぞり唇の裏側をなめる。
繊細な手つきで髪の根元をまさぐったかと思えば、大胆に乳をつかみ尖端に歯をたてる。
想像していた通り、浦島はあたしを千々に乱して溺れさせた。
海で鍛えた身体に組み敷かれ貫かれた瞬間、あたしの脳天から足先まで熱い火花が通り過ぎたような気がした。
波のように押し寄せる快楽に耐えかね、逃れようともがいたが浦島はそれを許さなかった。
あたしは幾度も押し上げられて叫び、気を失った。
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