プロローグ

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何度も何度も、眠っては起きて空腹に泣き叫び、薄めた牛乳のようなものを飲まされ、また眠った 視力は回復せず、身体も動かないままだ 記憶を漁ってみると、自室にいた時にとても大きな揺れを感じたところでぷつりと途切れていた 地震大国に住んでいるのだ、自ずと地震だと分かったが、地震で建物が壊れたりしてそれに巻き込まれたのだろうか そして後遺症を負ったとか…? それなら私はずっとこのままなんだろうか ずっと、目も見えず身体も動かず、このまま…… 浮かんだ考えにゾッとした そして起きるたびに動けない私に見せつけるように(見えないが)元気に頭上で会話する外国人達に、殺意にも似た思いを抱いたのだった
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