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しかし、現実は小説よりも奇であるらしい。下らない、この世界的陰謀は俺のことを見てはいつも高笑いしている。俺の行動の全てを悪い結果にさせようとするソレは、死亡願望すら馬鹿にするようだ。
「どこだよ、ここ……」
俺が失望と共に目覚めると、四角い真っ白な部屋に横たわっていた。
「気分はどう?」
後ろから妙に透き通った声が聞こえる。慌ててそちらに振り向くと、壁に身体を預けている人間がいた。彼……いや声質からして彼女だろうか?
「お前……誰?……てっゆーか!!!ここはどこなんだよ!?俺の部屋は??地震は???」
俺は身の危険を感じながら、全く整合性の取れないこの状況に対する疑問を彼女にぶつける。しかし、彼女は困ったようにクスリと笑うだけだった。
「ふふふ、その様子だと問題無いみたいね。落ち着いて。あなたは選ばれたのよ」
「はぁ?」
俺は彼女の答えになってない返答に素っ頓狂な声を上げる。それでも彼女は微笑を浮かべているだけだ。
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